人手不足で会社を辞められない人や、無責任と思われることを気にしていつまでもやめられない人は多いです。
人手不足で会社を辞められない時の対応方法を解説していきます。
人手不足で退職は無責任であると悩んでいる人も多いですが、まずは下記法律を知ってください。
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申し入れをすることができる。この場合において、雇用は解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了する。
当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。
さらに一身上の都合というのは、身の回りの都合です。
身の周りの都合はプライバシーにかかわることなので、答える義務もありません。
退職代行を使うことで今日からでも法律に沿って会社を辞めて、有休消化と日割の給与をもらってやめることができるという事も知っておきましょう。
この記事を書いた人
菊池優香。1991年生まれ。退職代行で7年勤務。今まで退職したい人や職場でのトラブル、ブラック企業を担当。仕事の辞め方、職場の悩みの解決をアドバイス。新入社員から中高年、女性特有の問題までフォロー。
人手不足で退職は無責任なのか?悪いのは会社で会ってあなたではない
まず、前提として人手不足で会社を退職っできないというのは、働いている人の責任ではありません。
自分が辞めるのではなく、他の人が辞めて自分の仕事が増える事を思うと無責任と思うかもしれません。
会社の責任なので、人手不足で辞めることを無責任と考えるのはまずやめましょう。
人手不足は会社の責任
繰り返しになりますが、従業員が辞めた後の業務が回らないのは、経営者が人員計画を怠ったためであり、従業員にはその責任はありません。
人のことを思って自分の身を削るような行為はやめましょう。
引き止めの違法性
これは会社側の都合であり、労働者にはその責任を負う必要がないためです。
労働基準法第137条にこのように書かれています。
使用者に申し出ることにより、いつでも退職できることとなっています。
辞めますと言っているのに、辞めれないのは違法性があります。
辞めたいです!などあいまいな言い方だと、法的にもグレーなので、辞めたい場合は「辞めます」と明確に伝えるようにしましょう。
会社側は、「辞めようと思っています=相談」「辞めます=やめる手続きに入る」の違いを実は見ていたりします。
もし、引き止めに合っているであれば、労働基準監督署に相談することで解決することができます。
相談窓口から電話だけではなく、メール、チャットでも24時間相談できます。
心理的負担がある時点で会社の責任を問われる
従業員が「人手不足で申し訳ない」と感じることもありますが、それは不当なプレッシャーです。
そのような社内環境になっていること自体に問題があります。
仕事はプライベートの為に働いていると思います。
ダメな会社で自分の身を削る必要もありませんし、人生を棒に振る必要もありません。
労働基準監督署に相談すること自体が、めんどくさかったり世間体を気にする場合は、退職代行を使いましょう。
退職代行では、法律に沿って退職の手続きをしてくれます。
会社の辞めれない雰囲気の原因3つ
「今の会社が辞めれない」と思わされる雰囲気を作る原因を知って、まずは頭の中を整理してみてください。
- 会社の人材が人手不足だと思い込む
- 辞めないように上司の圧を感じている
- 恩を返さないといけないと思っている
会社が辞めれない雰囲気を感じる原因はこの3つになります。
それぞれ詳しく状況例を交えながら解説していくので、あなたの勤めている会社はどれに当てはまるのか知っていきましょう。
会社の人材が人手不足だと思い込む
繁忙期や、会社自体の業務内容が多すぎると辞めると言い出しにくい雰囲気になりやすくなります。
あなたが会社を辞めると「他の人に負担をかけてしまう」という申し訳なさがあると思います。
特に日本人は周りとの同調意識が強い傾向があります。
仕事が忙しいと働いている社員全員が「他の人に迷惑が掛かってしまう」と思い込み、辞めにくい雰囲気が作られます。
また、人材不足が原因の辞めづらい雰囲気を感じてる思い込みには注意しましょう。
むしろ、あなたが辞めて会社がそのことに気づく方が他の人の為にもなります。
もしかすると、最近何人もやめたかもしれません。
しかし、それであっても業務形態や会社の待遇、人材教育を間違った結果そうなっているだけです。
辞めないように上司の圧を感じている
辞めないように圧を与えていること自体が今では法律的に良くありません。
ある種、脅しのようになっています。
辞めたいと言っているにもかかわらず「今辞められると人足らないんだよ…」ということも労働基準監督署に言うと問題になります。
中には「どこの会社に行っても通用しないぞ」など、言ってくるかもしれません。
公的機関や第三者に間に入ってもらって、対応してもらいましょう。
辞めるのを伝えると面倒な出来事になると思わされること自体が今ではパワハラです。
パワハラはメンタルに大きな負担がかかり、最悪な場合だとうつ病になるリスクもあります。
うつ病になってからでは遅いです。自分の身は自分で守る他ありません。
恩を返さないといけないと思っている
次に上司や先輩に世話を良くしてもらっている方も、いざ退職を考えた時に辞めれない雰囲気を感じやすいです。
人は他人から何らかの施しを受けた場合に、お返しをしなければならないという感情を抱くが、こうした心理をいう。この「返報性の原理」を利用し、小さな貸しで大きな見返りを得る商業上の手法が広く利用されている。
引用:Wikipedia
誕生日プレゼントを貰えば、貰った相手が誕生日の時に「プレゼントをあげないといけない」と思うのも返報性の原理が働いている場面です。
しかし、仕事は働いてお金をもらうことでお互いに恩のやり取りは終わっています。
その別の恩返しをしたいと思わないのであれば、辞め時です。
働いている時点で恩返しは終わっています。
今の仕事でお世話になった恩返しをすると考える必要はないのです。
会社内の辞めれない雰囲気でも辞める方法
辞めれない雰囲気からダラダラと会社にいても、あなたのためにもなりませんし、会社のためにもなりません。
なので、しっかりと辞めれない雰囲気に対処していきましょう。
嫌われる覚悟を持つ
まず、転職で辞めれない雰囲気を感じてしまうのは、嫌われるかもしれないという不安を持っているからです。
会社を辞めることを伝えると、周りの見る目が変わることもありますし、冷たい対応をされることもあるでしょう。
結局、会社を辞めてしまえば、本当に仲のいい人しか繋がりは残りませんし「万人から好かれるのは不可能」です。
変に切れやすい関係なのに、仲良くなろうとしても効率が悪いです。
会社を辞めると決めたのであれば、第一に辞めることを最重要項目として行動していきましょう。
責任感を持たないようにする
仕事に責任感はもちろん重要です。
ただ、あまりにも責任感が強い状態だと「今やめたらダメなのではないか?」と過度に思ってしまいます。
会社を辞めれない雰囲気を感じてしまう原因になってしまいます。
なので、仕事が主軸となっている方は、少し自分よりの軸に寄せてみてください。
転職活動を始めてしまう
転職先が決まってしまえば、関係なしで辞めることを会社に伝えないといけなくなります。
最近は転職エージェントを利用すれば、入社日を調整して進めてくれます。
今の仕事と両立した転職の進め方も教えてくれますし、他の会社を見ることで踏ん切りがつく方も多いです。
しかし、重要なのは、あなたの人生や家庭です。
会社に気を使って、せっかくのチャンスや今後の可能性をつぶさないようにしましょう。
辞めれない雰囲気でも辞める具体的な進め方
- 人材不足、辞めれない雰囲気はいったん置いておく
- 転職エージェントを使って求人を探す
- 入社日を調整してもらう
- 辞める手続きに入る
- 転職完了
人材不足で辞めれない雰囲気はいったん置いておく
最近では、転職先を先に決めてから、辞める流れが一般的になっています。
会社を辞めれないことばかり考えているといつまでたってもその状況から抜け出せません。
焦って「働きやすい会社」ではなく「受かる会社」に応募することになります。
辞めてからだと働くことに焦って、今の会社のように辞めにくいブラック企業で働くことにもつながります。
ハローワークで求人を探すにしても、転職エージェントで転職するにしても、いつまでに転職しないといけないという状況だとできる求人数も少なくなります。
まずは、転職活動を進める事から始めましょう。
転職エージェントを使って求人を探す
ハローワークより転職エージェントの方が優良な求人が多いのは当たり前になっています。
企業側はすぐにやめる人や職歴がないような人が集まりがちなのでハローワークで募集をかけるどう避ける傾向にあります。
職場環境の良いところや待遇のいい会社で働きたいのであれば、転職エージェントを利用しましょう。
自分で応募する形の求人応募型転職サイトもあります。
入社日を調整してもらう
昔のような仕事をやめてから働き口を見つけるというスタイルはもう古いです。
人材不足で1ヶ月程度、転職することができないのであれば1ヶ月後に仕事を開始できる求人を探していることを伝えましょう。
少しばらつきはありますが、2カ月はかかっている人が多いです。
ハローワークにあるような求人は、すぐに働けるところも多いですが、職場環境のいい会社で働こうとすればするほど、時間がかかります。
求人探し、書類作成、書類選考、面接、入社日決定、退職、入社準備と進めるという具合です。
あらかじめ入社時期を伝えておいて転職活動をすることで、余裕のある転職ができます。
辞める手続きに入る
次が決まっているにもかかわらず、引き留めをするような会社はありません!
なので、辞めれない状況が続いているのであれば、この状態までもっていきましょう。
転職完了
有給消化もしっかりと行って、今の会社と次の会社の間に休みがあるような形で進めることをおすすめします。
それに、先にめんどうな辞める段階を踏む必要もありません。
【補足】上司が辞めることを認めてくれない時の最終手段
どうしても上司が認めてくれない場合は、内容証明で退職届を送りましょう。
だらだら辞めれない雰囲気に耐えてしまうと、いつまでたっても辞められません。
辞められない!という状況は、パワハラの可能性もありますし、だらだら働いてもあなたキャリアのためにもなりません。
なので、内容証明で強制的に退職届けを出したことにしまいましょう。
【まとめ】会社の人手不足を気にする必要はない
そもそも人手不足は会社の責任
あなたが人手不足で会社を辞めるのを申し訳なく思う必要はありません!
世の中、人手不足で悩む会社もありますが、社員が働きやすい環境作りを作り上げて辞める人が少ない会社もあるのが現実です。
こういった辞めにくい環境作りは、一社員が改善するのが難しく会社のトップが意識しないと改善できません。
会社の責任なのにわざわざあなた自身が巻き込まれる必要はないのです。
新しい人材を補充すればいい
人手不足が起こるのは、そもそも所属している社員の数が少ない、業務内容、職場環境に問題があるということです。
社員同士では、人が少ないと思っていても「会社側はまだいける!」と思っていることも多いです。
人手不足が原因にもかかわらず新しい社員が入らないのは、そもそも会社にブラック気質があるのです。
今の時代、会社を3年以内に会社を辞める離職率は30%以上と言われています。
なので、働き場所を探している人はたくさんいますし、募集するとすぐに入ってきます。
引継ぎすれば、迷惑は掛からない
基本的に引継ぎをしっかりしておけば、あなたが辞めた後でも迷惑がかかることはありません。
一時的に同僚や上司の負担が大きくなるかもしれませんが、後々は慣れるのがほとんどです。
そもそも、社員1人抜けて経営が大きく傾く会社に未来を感じるでしょうか?
もし、あなたの前にもう一人辞めるとさらに辞めれない状況になります。
大事なのは自分自身
結局、人手不足問題も解決しようと思えば可能です。
会社はあなたのキャリアに責任を持つことができません!
あなたの未来を保証することもできません!
今は終身雇用に頼るのも難しい時代です。
人手不足でも大丈夫!同僚との付き合い方
「人手不足で辞めたら同僚に嫌われるかもしれない」「同僚に迷惑かけたくない」と心配している方も多いでしょう。
そんな人手不足の会社にいる同僚達との付き合い方を紹介します。
気にする必要はない!
まず、同僚のことはあまり心配しなくて大丈夫です。
まともな会社であれば人材が補強されますし、ブラック企業であれば他の同僚も転職するからです。
あくまで会社を辞めてからはあなたの責任ではなく、その会社がどう動くかで決まります。
そもそも本当に仲のいい同僚であれば、転職を応援してくれます。
応援せず、文句を言ってくる人は長期的なお付き合いを望むだけ無駄なので、気にする必要はありません。
あなたが辞めたことがきっかけで、他の人も辞める決断ができるかもしれません。
とりあえず辞める事だけ伝えておく
もし、辞める時に同僚の仕事が増えるのであれば一言だけ「家庭の事情もあるので、辞めることになりました。」と伝えておきましょう。
会社のしりぬぐいをしている同士関係ではなくて、快適に仕事をしている同士の仲間を目指しましょう。
ある程度に仲が悪くなることは仕方ない
転職すれば今の会社との関係性は薄れますし、転職してしまえば前職の人たちとの関わりはほとんど消えるでしょう。
退職するのであれば、今の人間関係よりもその先の人間関係の方が重要です。
なので、あなたに対して不満を持つ同僚達は流しておけばいいでしょう。
最終的には、去る者追わずの人間関係
辞めることで仲が悪くなる人たちにエネルギーを使うよりも、今後を応援してくれる人と仲良くしましょう。
人はそれぞれの考え方を持っているわけですから、今後続く人もいあれば、予想もしないところで切れる関係もあります。
「今後も今の会社の人と仲良くしたい」「円満退職したい」と思うのであれば、応援してくれる人だけ仲良くすればいいのです。
この記事を書いた人
菊池優香。1991年生まれ。退職代行で7年勤務。今まで退職したい人や職場でのトラブル、ブラック企業を担当。仕事の辞め方、職場の悩みの解決をアドバイス。新入社員から中高年、女性特有の問題までフォロー。
【注意】転職エージェントの裏事情
やめとけ!使わない方がいい転職エージェント7選!と使わない方がいい人の特徴をまとめています。