転職で面接マナーを軽視してしまうと、どんなに良い内容を担当者に伝えたとしても、内定を貰うのが難しくなります。
「うまく自己PRを言えたのに落ちた」「終始、面接官の機嫌が悪かった」などの意見をよく耳にするのですが、話を聞いていると原因は面接マナーが悪かったからといった理由も少なくはありません。
本記事では、そんな転職においての面接マナーの大切さや、実際の具体的な面接マナーを紹介します。
「面接マナーはどんなところを気にしたらいいのかわからない」または「自分の面接マナーが正しいか再確認したい」と思っている方はぜひ参考にしてみてください。
面接マナーは、志望動機や自己PRと同等レベル以上に大事なポイントなのでしっかりと押さえていきましょう。
面接マナーを軽視すると90%もあなたの魅力が下がる理由
ここではなぜ、面接マナーを抑えていないといけないのかについて解説します。
- 見た目
- 礼儀
- 口調
面接マナーの要素は上の3つになります。
そして、この3つが具体的に何をさすかを表したのが以下になります。
面接マナーの要素 | 具体的には何か |
見た目 | スーツの着こなし、髪型、姿勢など |
礼儀 | 待機中は下座に座る、挨拶をしっかりする、ドアのノックの仕方など |
口調 | 敬語ができているか、話すスピード、声の大きさなど |
この3つの要素をしっかりできていないと、どんなに面接時に良いことを話しても、印象が悪くなり内定から遠ざけてしまいます。
心理額の世界ではメラビアンの法則と言われています。
このメラビアンの法則では「見た目」と「声トーン」「口調」で印象が90%も決まると言われています。
結局、人というのは、その人の雰囲気や仕草などで「その人はこういう人!」と判断してしまうのです。
また、面接マナーをしっかりしていないとあなた自身の説得力も薄れてしまいます。
履歴書で使う写真も機械で取るより、ちゃんとカメラマンに取ってもらった方が良いと言われているのも、人は雰囲気で物事を判断すると言われているからです。
もちろん、内定の9割が面接マナーで内定が決まるのではなく、面接マナーで面接官があなたの話を聞くかの態勢が90%決まると考えてください。
人事は人柄を面接でしか判断できない
面接を担当する人たちは、あなたの人柄や自社に向いた性格などを面接でしか判断できません。
中途採用者には企業研修などがありません。
ですので、企業側からしたらできるだけビジネスマナーがしっかりした人や、できるだけ職場にすぐ馴染める人を採用する傾向があります。
そして、このビジネスマナーをどこで判断するかというと、面接だということです。
もちろん、メールマナーや書類などもありますが、一番印象が残るというのが直に会う面接でしょう。
面接マナーをマスターして、企業側に「仕事ができる人」という印象を残すことを心がけてください。
面接前日のマナー3選
ここでは面接前日のマナーについてご紹介します。
面接前に自己PRを用意しておくように、面接マナーにも前準備があります。
ここで紹介するのは以下の3つです。
- 持物を揃える
- 服装の確認
- 会社情報は一通り話せるようにしておく
しっかりと抑えて、面接当日に備えておきましょう。
持ち物を揃える
面接に必要な書類やハンコ、身分証明書などをまとめておきましょう。
もし、面接が不安なのであれば、自己PRをまとめた用紙などを用意しておけば移動中に確認もできて便利です。
道に迷う可能性もゼロではないので、地図であったりも用意しておきましょう。
いつもスマホなどのマップを使うのであれば、モバイルバッテリーなどを用意しておくと安心です。
もし面接時の持ち物で不安なようでしたら、○○で詳しく解説しているのでご確認ください。
服装の確認
TPOに合っている服を着ているのか、小物などもチェックしておきましょう。
特に時計や靴、カバンなども企業は見ているので、面接に適しているかをしっかりと確認してください。
髪型なども長すぎないかや、ビズネスの場に適しているかつ、清潔感があるのか確認します。
もし、ちょっとでも適していないと感じたのであれば、髪を切りに行ってください。
些細な部分まで気を抜かないのが面接でもより良い評価に繋がります。
私服での面接の場合は、その企業が属している業界にもよりますが、ジャケットを羽織るなどしてできるだけ綺麗目を心がけてください。
会社情報は一通り話せるようにする
自分で応募した会社情報は一通り話せるようにしておいてください。
社風や商品、サービスのほかにも、自分がなぜその会社に興味を持った課などは最低限準備をしておくのが、面接を受ける物としてのマナーです。
しっかりとしたリサーチをして、応募した会社について質問された時はスムーズに質問を回答できるようにしておきましょう。
また、面接官から返答を深掘りされる場合もあるので、常に会社をリサーチするときは「やりすぎかな」と思うくらいが丁度いいです。
面接前~入室までのマナー4選
次に実際に面接当時のマナーを紹介します。
面接前から面接する部屋に入室すまでのマナーは以下になります。
- 早めに到着して身だしなみ確認
- 受付は5分前にする
- 受付の人にも礼儀正しく
- 下座で待機
それぞれ詳しく解説するので、しっかりと抑えておきましょう。
早めに到着して身だしなみ確認
まず、10分から15分くらい早めに面接場所付近についておきましょう。
この早く着き受付に行くまでの時間で、身だしなみを最終確認します。
特に風が強い日などは、髪も乱れている可能性があるので確認しておくと丁度いいです。
他にも男性であればネクタイが歪んでいないか、シャツがズボンからはみ出ていないかなど、最終確認をしてください。
また、喫煙者なのであればタバコの匂い、ご飯を食べた後であれば口臭なども気を付けるようにしましょう。
夏場などは汗をかきやすくなるので、制汗剤などで対策をしておきましょう。
受付5分前にする
受付は早すぎても企業側が面接の準備できていない場合もあります。
反対にギリギリ過ぎてもルーズな人だと思われてしまうかもしれません。
なので、早過ぎず、遅すぎずの面接開始5分前に受付をするようにしましょう。
受付の時もにも礼儀正しく
もちろん、会社の受付の方にも礼儀正しくしましょう。
しっかりと挨拶するなどして好印象を持って貰うようにしてください。
そもそも、もし内定が取れたときには、あなたの出勤日に受付の人を見かけるかもしれません。
その時のためにも、できるだけ良い印象を受付の方に持って貰ていたほうがいいでしょう。
挨拶例文
お世話になっております。
本日、中途採用面接でお伺いさせていただいた、○○と申します。
採用担当の○○様にお取次ぎをいただけますでしょうか?
下座で待機
控室に案内された時は、下座に座るようにしましょう。
企業側に面接をしてもらっている立場なので、下座で待機がマナーになります。
ただし、待機する席を指定された時は、その指示に従ってください。
指定された席を断って座るということは、その企業の気遣いを断ることになります。
待合室を用意される、どこに座るか指定がない場合に関してはできるだけ、出口に近い下座で待機しておきましょう。
入室~面接開始までのマナー5選
入室からは、いよいよ面接官との対面です。
この時に面接マナーを守らず入室してしまうと、その後にも悪い影響が出てしまいます。
しっかり押さえておきましょう。
入室する際のドアノックは3回
ビジネスではドアノックは3回です。
面接官から「どうぞ」と言われたら、「失礼いたします」と言って扉を開けて入りましょう。
国際的な標準だとビジネスシーンの場合は4回なのですが、日本で3回以上鳴らしてしまうと不自然さが出てしまいます。
こういった経緯から面接でのドアノックは3回と言われています。
また、2回だけ鳴らすのはトイレノックなので注意しましょう。
空けたときの扉は両手で絞める
緊張した時に、忘れがちになりやすいマナーです。扉は両手でしっかりと閉めましょう。
後ろの手で絞めてしまいそうですが、面接において面接官から目を背けれる機会です。
もし、緊張が止まらないのであれば、扉を閉めると同じタイミングに呼吸を一息入れて緊張を和らげましょう。
面接官にお辞儀する
ドアを閉めた後、面接官の方に振り替えります。その際に、30度の角度でお辞儀をしましょう。
30度が基本的なお辞儀の角度で、面接時の挨拶場面で一番適した角度になります。
30度以上深く曲げるお辞儀は、敬意を表すお辞儀になります。
もちろん、面接マナーにも使用するので頭の片隅に置いておきましょう。
お辞儀した際に「○○と申します。本日は宜しくお願いいたします」と付け足しましょう
声のボリュームは元気よくというよりは、はっきりとした聞き取りやすい声を目指しましょう。
あまりにも声が大きすぎても、面接官に対し圧迫感が出てしまうので悪印象になります。
椅子の横に立つ
お辞儀をした後は横に立ち、面接官が椅子へ「どうぞ」と座るのを促すのを待ってください。
「どうぞ」と促されたら、「失礼します」と言い、お辞儀をして座ると良いでしょう。
ちなみに、この時のお辞儀の角度は45度にし、深めのお辞儀にして敬意を払ってください。
座った際に、鞄は椅子の横に置いて、コートなどは背もたれに掛けてください。
注意点としては、鞄やコートなどは、横の椅子に置いたりはしないようにしましょう。
座っている姿勢にも注意する
座っている際は、深すぎず浅すぎずの位置に腰掛け、背筋は伸ばして、あごは適度に引いておきましょう。
そして、男性は膝を少し広げ、両手を軽く握って膝においてください
女性の場合は両膝を閉じて、両手を重ねて膝の上においてください。
長時間座るのに慣れていないと、どうしても面接後半に姿勢が悪くなってしまう方もいます。
面接中は常に気を張って、姿勢を正しくしましょう。
面接開始~面接退席までのマナー8選
ここでは実際に面接が初めった際の面接マナーについて紹介します。
いわゆる、一番大事なシーンなので、面接マナーを更に強く意識しましょう。
軽く挨拶する
「(改めて)○○と申します。本日は貴重な機会をいただきまして、ありがとうございます。」
と軽く面接時間を作ってくれたお礼と自己紹介をしましょう。きっちりしている印象と志望意欲の高いという思いが伝わります
ただ、基本的には「よろしくお願いします」というお互いの挨拶だけなので、お礼を含めた挨拶は慣れていないと不自然に見られてもおかしくありません。
なので、エージェントなどで模擬面接する機会があれば、その機会に一度試してみることをおすすめします。
こういった、少しやり過ぎかなと思う丁寧さは、慣れていないと受け取り側に不自然さを与えてしまいます。
なので、エージェントにアドバイスしてもらうのもおすすめですが、日頃から少し相手に気を遣う対応をして慣れておくことも重要です。
正しい敬語を使用する
正しい敬語を使用して、しっかりとしたビジネスマンであることをアピールしてください。
企業が中途採用を取り入れる理由の一つとしては、ビジネスマナーなどの研修が必要ないというものがあります。
ここで、しっかりとしたビジネスマナーがあることを示すためにも、敬語の使い方には気を付けましょう。
相手の眉間を見る
基本的には面接官の話を聞く時、質問に答える時には面接官の眉間を見ておくと良いでしょう。
目を見てしまうと、どうしても緊張しやすい方だと、さらに緊張して上手く自分をアピールするのが難しくなってしまいます。
目を見るのは良いけど、さらに緊張して自己PRや志望動機など上手く話せなかったでは、目を見る意味がありません。
眉間であれば、相手は目を見て話してくれていると思いますし、眉間を見ている側も直接目を見るより緊張感は薄れます。
眉間を見て、しっかりと視線を固定して自信ある印象を面接官に植え付けましょう。
話す言葉はできるだけ言い切る
自分から話す内容はできるだけ、「~です。」と言い切ってください。
「~だと思います。」などの言い切らないタイプの話し方にしてしまうと、どうしても面接官から頼りない印象を持たれてしまいます。
そして、何より「です。」「ます。」と言い切ったほうが、仕事に対しても頼りがいがある印象を持ってくれやすくなるので、内定を貰える可能性も上がります。
面接マナーとして「自分に何ができるのか」をはっきり伝えるのは必須です。
面接終了後はもう一度お礼を言う
面接が終了し座っていた席を立った後、「本日はお忙しい中、お時間をいただきありがとうございました。」と感謝の言葉を伝えてください。
伝え終わった後、もう一度、お辞儀をします。
その際のお辞儀の角度ですが、45度くらいの少し深めに頭を下げてください。
ドアの前でお辞儀する
面接室から出る時に、もう一度お辞儀をして「失礼します」と一言添えてから部屋を退室します。
もし、出口まで見送ってもらっている場合などは、別れ際にお辞儀と挨拶をしましょう。
この時のお辞儀はその前に深くお辞儀をしているので、30度くらいで構いません。
見送って貰っている場合には、出口まで移動中に雑談するタイミングがあると思いますので、しっかりと次の御社で働きたいという意欲をアピールしましょう。
コートは部屋を退室するまで羽織らない
コートなどは部屋を退室するまで羽織らず、腕に掛けて持つようにしましょう。
出口まで送ってもらった際には面接官が見えなくなるまで、着ないほうが良いという意見もあります。
ですが、もし外の気温が低ければ、その対応は不自然に見えてしまいます。
どこで着るか着ないかは、その場の雰囲気や外の気温などに合わせておけばいいでしょう。
基本的に見送りしてもらった際には、出口で別れの挨拶をしてから、着用するようにすれば良いでしょう。
面接後にはお礼メールを送る
面接を終えた後、できるだけ当日中に面接お礼メールを送りましょう。
この一通のメールで採用担当者にあなたを強く印象付けることができます。
特に面接ではもう一押しすれば良かったと思っている場合には、このお礼メールで志望意欲の高さをアピールしましょう。
メールのポイントとしては以下の構成で作ると良いでしょう。
- 挨拶と面接のお礼
- 面接中何か印象が残ったこと(ポジティブな内容に限ります)
- 志望度の高さを伝える
- 締めの文章
あまり定型文通り真似してしまうと、ありきたりな内容になってしまい気持ちの伝達率が下がってしまいます。
また、面接での印象もありますので、定型文を真似しすぎた文章だと不自然さが出てしまうので気を付けましょう。
最後に、、、転職マナーを更に完璧にするには?
転職マナーについて紹介しました。
「ここはできているけど、ここはできていなかった。」などのように、気づきを得れたのであれば幸いです。
ぜひ、面接本番までに修正して活かしてみてください。
もし、もっとしっかりした面接マナーを学びたいのであれば、転職エージェントに頼ってみてください。
転職エージェントサービスは実際に、アドバイザーと話をして、あなたに適した転職アドバイスをしてくれます。
できていると思っていたのに、実はできていなかった転職マナーも見つかるかもしれません。