50代の転職では、なかなか求人が見つからなかったり、転職を繰り返してしまうような「転職地獄」に陥ってしっまう人もいれば、すぐに決まる人もいます。
実は、50代の転職で成功した!と感じている人は79%いるというデータがあります。
うまくいく人と、うまくいかない人が大きく分かれています。そんな2者の違いは正しい転職方法を知っているか、ただただ応募するだけかの違いです。
ブラック企業やサービス残業のあるような職場に入って、転職してから後悔しないために間違った転職手順を踏まないようにしましょう。
この記事を書いた人
安藤麗奈。1987年生まれ。転職エージェント計3社で11年勤務。z転職のような一人一人に合った転職エージェントを紹介するサービスやリクルート系転職サービス、ブラックな転職エージェントでの勤務経験もあり。既卒から一般転職・ハイキャリア・専門職の方までフォロー。
50代で転職地獄に陥る人は多い
私が転職エージェントで働いていた時も、50代の方で転職地獄に陥っていた人はたくさんいます。
50代の転職で負のループに入る人はこのような流れをたどる人が多いです。
- まず今以上の給与額で探す
- 今と同じ給与額で探す
- 給与を下げて探す
- 受かりやすい求人に応募
徐々に給与額や地域を下げていくことで時間がかかり、金銭的に早く転職しないといけなくなり、最後には妥協して、受かりやすい求人に応募する流れになってしまいます。
受かりやすい求人と言うのは要は「ブラック企業」で残業が多かったり、サービス残業だったりします。
肉体系の仕事であれば、体力的についていけない人もいます。
そうなってくると、体力的にも精神的にもついていかずに、転職を繰り返すことになります。
一通り今の年収と同じ額の求人に応募して今くいかないようなら、給与を下げて応募する方が勤務体系の良い会社に入ることができますし、最終的に焦って転職をするリスクを避けることができます。
スキルやキャリアがある方でも年収にこだわりすぎて時間がかかってしまうことも多いです。
40代までの転職とは違い、かなり制限されるということは頭に置いておきましょう。
逆に急いで決めるのもよくありません。
すでに辞めているのであれば、失業保険の期間半年をいっぱいいっぱい使って転職をすることもおすすめします。
妥協した結果、転職を繰り返すことにならないようにしなければなりません。
3年後、5年後の体力や家庭環境も考えてうえで計画的に転職を進めましょう。
50代で転職地獄のパターン2つ
50代が転職地獄に陥る原因は、以下2つです。
- すぐに辞めることになってしまう
- なかなか転職先が見つからない
すぐに辞めることになってしまう
転職してもスキルや体力が追い付かないことから、すぐに辞めることになってしまうパターンす。
また、社内ニートに代表されるように、居場所がなくてすぐに辞め転職を繰り返す人もいます。
1つの会社で落ち着くことができずに転職してしまう人は、転職を繰り返すことで、さらに泥沼にはまります。
職務経歴書で1年前後の転職が多くなると、会社側も採用を控えることになるので、転職活動でなかなか書類選考に通らなかったり、面接で落ちる確率が増えるためです。
そうならないためには、勤務形態や仕事内容をあらかじめ把握しておく必要があります。
- 残業時間
- 年間休日
- 有休取得率
給与はもちろんですが、勤務形態に納得がいく会社であれば、妥協することもできます。
残業が多く体力がついていかないので、辞めることになったり、休みの日数が少ないことで辞めることになる人もいます。
有休がある程度取れる会社であれば、プライベートを充実させることもできるでしょう。
50代の転職では、将来性よりも次の転職で長く続けられるかどうかに重みづけをしましょう。
具体的な仕事内容もあらかじめ確認しておくようにしましょう。
仕事内容に関しては、転職エージェントのキャリアコンサルタントやハローワークの担当者に聞けば、具体的な仕事内容を聞いてくれます。
逆に、聞かなければ、教えてはくれません。
なかなか転職先が見つからない
転職先が見つからないことで、転職地獄に陥る人が一番多いと言っていいでしょう。
- 資格がない
- スキルがない
- 手に職ではない
この3つに当てはまる人が転職でうまくいきません。
技術職の方は2~5つほど求人を受け決まることが多いですが、そうでない方は、20~30件受けて当たり前の状況です。
資格・スキルあり | 2~5件応募 |
資格・スキルなし | 20~30件応募 |
スキルがなかったとしても、50代は同業界、同職種での転職をするようにしましょう。
もちろん、地域によっても採用率は違います。
都市部の場合は50代でも求人数は多いですが、受ける人も多いので、採用数が1人~3人の場合は、落ちることも多いので、たくさん受ける必要があります。
都市部 | 1人募集 | 30人が応募 |
地方 | 1人募集 | 5人が応募 |
要するに都市部は1人募集に10人~30人集まるようなことがよくあるので、落ちる確率も上がります。30人集まれば3.3%です。
地方の場合は、1人の採用枠に5人応募程度にとどまるので、単純に採用確率は20%なのです。
資格、スキル、手に職がないのであれば、採用されやすい求人に応募する必要があります。
書類選考の段階でも年齢ではじかれる人が多く、10件20件と送って面接までたどり着くという方も珍しくはありません。
年収や勤務地、職種にこだわりすぎないようにすることが大切です。
50代の転職ですぐ決まる人の特徴5つ
満足のいく転職ができる50代の特徴は以下にまとめました。
- 自分のスキルを理解している
- キャリアに合った求人に募集している
- 転職の準備をしっかりしている
- 希望条件の範囲を広く設定している
- 淡々と転職活動ができる
50代の転職をする上で必ず必要になるポイントです。
それぞれ詳しく解説していくので、転職を考えている方は参考にしてください。
自分のスキルを理解している
自分のスキルを正確に理解している人は転職でも成功しやすいです。
というのも、自分のスキルを正確に理解していないと、採用されない求人に応募してしまうことになるからです。
実際に転職エージェントに来る方も高望みをして面接まで行っても落ちる人がよくいました。
「己を知れば百戦危うからず」という両者の分析ができていないと戦では勝てないということわざがあるように、双方の状況を理解できていないとうまくいきません。
自分のレベルを正しく理解していれば、企業側の求めている人材に沿って面接でアピールすることもできます。
企業が10のスキルを求められている時に「8スキルがあります!」と自信満々に言ったとしても相手には、評価してもらえません。
どれだけセールススキルや面接スキルがあっても、相手が求めているスキルに見合っていないと採用されません。
特に50代の場合は、取りたがる企業が少なくなるので、より一層企業側の求める内容に合った求人に応募する必要があるのです。
キャリアに合った求人に募集している
50代から新たな職業や全く経験のない業界に応募しても厳しいです。
40代までであれば、まだ将来性があるので、許容の範囲内ではあります。
しかし、50代で新しい仕事に転職できたとしても、肉体労働系や営業系の一部がほとんどです。
できるだけ今までのキャリアに合った求人に応募するようにしましょう。
当たり前のことですが、全くキャリアのない仕事よりも、キャリアのある仕事の方が給与も高くなる傾向になりますし、待遇もよくなる傾向が高いです。
できることなら、今までいた業界、今までと同じ職種での転職をするようにしましょう。
転職の準備をしっかりしている
転職を成功する50代は転職を始める前の準備もしっかりしています。
準備はたくさんありますが、基本的には以下5つを行いましょう。
成功者がする準備
- キャリアの棚卸
- 転職での目標設定
- キャリアコンサルタントの利用
- スケジュールや今後のプラン作成
- 業界、企業をリサーチする
50代の転職で満足度が高い人全てが、上記の準備をしているわけではありません。
ですが、転職で成功する人は活動をスムーズに進めるために自分の必要な準備をしています。
同じ年齢、スキルであっても準備しているのか?していないのかでは結果に大きな差が生まれます。
50代の転職は働き口が少ないからこそ、しっかりと準備をしていきましょう。
希望条件の範囲を広く設定している
希望条件が狭すぎると一気に応募する求人数が減ってしまいます。
特に50代の方は役職ありの求人にこだわったり、年収、勤務地を今までの範囲内で制限しがちです。
年収に関しては、同じ年収では「採用されない」「求人が少ない」とことが考えられます。
生活レベルを落としたり、現状の支払いに余裕があるのであれば、年収を下げての転職も頭に入れましょう。
生活レベルの見直し
- 賃貸であれば、家賃の安いところに引っ越し
- 保険の見直し(生命保険・医療保険・自動車保険など)
- その他、固定費の見直し
年収の高い時の固定費に合わせているようでは物価高の今、思い通りの転職をすることは難しくなります。
固定費を数千円ずつ下げていくことで、給与が今より月数万円下がっても同じような生活はできるので、固定費の見直しを行いましょう。
年収、勤務地に関しては、許容範囲を広げらば広げるほど、求人は多くなります。
いきなり就職先を限定するよりも、まずはできるだけ多く求人を見てみることが大切です。
給与を優先するよりも「働きやすさ」を重視して働く環境やストレスの少ない職場への転職がおすすめです。
淡々と転職活動ができる
転職サービスを使っても断られることもありますし、利用できたとしても書類選考に通らなくて面接まで進めないことも多くあります。
転職活動を進めていくうちに壁にぶち当たることはいくつも出てくるでしょう。
もし、壁に当たった時でも、転職活動を淡々と進めることが大切です。
感情的になったり、こだわりが強いとなかなか前には進みません。
転職活動は
なので、壁に当たっても、必要なことをやり淡々と転職活動を進めておくようにしましょう。
50代の転職入職率は8.7%
50代で転職先を見つけるのは簡単ではありません。
やはり50代よりも40代、40代よりも30代と企業側は長期的に働ける即戦力の人材を求めています。
50代の転職入職率は8.7%となっています。(日経転職版より)
これは、常用労働者数に対する転職者の割合なので、成功率とは異なります。
ただ、リストラや転職する人の数が多くなり、50代の転職がしにくくなっているの事実です。
50代の転職成功率に関しては、みんなの転職「体験談」でデータが出ており「成功」と「やや成功」を合わせたデータが79%となっています。
成功した人の中で成功理由は、以下方法となっています。
知人や友人に紹介をしてもらう当てがないのであれば、転職エージェント・ハローワークを利用し諦めすに取り組み続けることで成功の確率はかなり高いものになります。
- 転職エージェントを利用
- それでもだめならハローワーク
- 諦めず続ける
この3つを重視することで、満足の行く転職をすることができます。
転職エージェントは、選び先を間違えると「50代にはブラックな求人を紹介」してきたり、一通り受けさせておいて、通らなかったら断るようなところもあるので注意しましょう。
また、ハローワークに関しても、介護や力仕事を進めてきがちです。
内務がいいのであれば、明確にハローワークの担当者に伝えるようにしましょう。
スキルや知識がないのであれば、ハロートレーニング(離職者訓練・求職者支援訓練)を受けて就職しやすい状況で転職をするのもおすすめです。
50代転職で失敗しない手順
- 転職エージェントに登録して情報収集
- ハローワークでも相談や求人を見る
- キャリアがある人はスカウト型転職サイトも利用
- 上記3つを比較して転職を進める
転職の進め方ですが、単純に転職エージェントをすすめている情報サイトがたくさんあります。
しかし、転職エージェントだけを見てもよくありません。
簡単には転職できそうにない…厳しそう…転職が一筋縄ではいかない!と感じている50代の方は、転職市場の情報収集や自分の価値をまずは見ることが重要です。
まずは、自分自身の年収診断や市場価値を調べるようにしましょう。
年収は、ミイダスなどの診断ツールで行うことができます。
そして、求人は複数の媒体を見るようにしましょう。
転職エージェントを利用するのもいいですし、エージェントだけだと本当に紹介された求人で全てなのかわかりずらいです。
リクナビNEXTやエン転職のような総合求人サイトやハローワーク求人検索で実際に求人を検索して他にも求人がないか確認を行いましょう。
スキルや資格取得を目指す場合は、転職に直接つながらない資格は取らないようにしましょう。
ハロートレーニングであれば、就職につながる資格やスキルを無料でとることができます。
手順まとめ
- 年収診断を利用する
- 複数の媒体で求人を確認
- スキル・資格取得を考える
50代の転職エージェント選び、使い方の注意点
転職エージェントや転職サイト選びが大切です。
使い方を間違うと紹介された求人にただただ応募するだけになります。
そうなると、ハローワークで求人を片っ端から応募しているのと何ら変わりません。
転職サイト利用時の注意点
- 転職サイトはひとつに絞らない
- 希望条件を絞りすぎない
- 転職サイトは求人更新日に必ず確認する
- 現職は辞めずに転職活動する
- 口コミサイトを併用して社風を確認する
まず、転職サイト(エージェント)を利用するにしても、1つに絞ってはいけません。
転職エージェントによって保有している求人は異なります。
希望条件を出しすぎないようにしましょう。
賃貸で部屋探しをするのと一緒で、こだわりが多いとなかなか見つかりません。
絶対に譲れない部分のみを伝えるといいでしょう。
職種を絞っても、似た職種で年収が50万上がるなら別の職種の方がいい!と考える人もいるでしょう。
勤務地も地域で絞るのではなく、勤務時間で絞ることでより多くの求人が出てきます。
どうしても今まで働いていたりプライベートで行ったことのある地域に絞りがちですが、同じ通勤時間30分であれば、他の求人もたくさんあるわけです。
そして、転職サイトには求人の更新日があります。
リクナビNEXTであれば、毎週水・金更新されます。条件のいい求人は、短期で締め切ることも多いです。
求人の応募には上限があることも多く、早く応募しないと、上限に達してしまいます。
各転職サイトの求人更新日をチェックしておいて、いい求人が見つかったらエージェントに伝え、抑えてもらうようにしましょう。
自己応募するのであれば、すぐに応募してしまうのもいいです。
仕事を辞めないで求人を探すのがベストです。
転職経験の少ない人は「仕事を辞める→求人を探す」と考えている人が多いです。
しかし、現職は辞めずに転職活動をしている人がほとんどで、辞めてしまうと焦りから条件が悪くても妥協してしまいます。
働いていると時間がないと思う方も多いと思いますが、仕事の行き帰りや寝る前にサクッと求人をチェックしてるだけでOKです。
最近は、転職サイトに職務経歴書などを設定しておいて、そのまま応募できるので時間がなくても簡単に応募できます。
転職エージェントを使う場合は、アドバイザーにここに応募したい!と伝えるだけでOKです。
▼50代おすすめ転職エージェント・転職サイト
リクナビ NEXT | 掲載求人数が全国765,000件以上の自己応募型サイト |
リクルート エージェント | 公開求人501,188件、非公開求人404,495件の転職エージェント。 |
doda (デューダ) | 公開求人255,501件、年収診断などのシステムも充実している転職エージェント |
ヒューレックス | 地方の求人に特化した転職エージェント |
求人件数は2024年11月現在。
最後に、目ぼしい求人を見つけたら、その会社の口コミがチェックするようにしましょう。
最近では「社名+評判」とGoogle検索をすると口コミサイトが出てきます。
「残業なしだったのに実は残業がある」「求人募集の職種で応募したにも関わらず違う職種になった」というような例もあるので、口コミのチェックは怠らないようにしましょう。
この記事を書いた人
安藤麗奈。1987年生まれ。転職エージェント計3社で11年勤務。z転職のような一人一人に合った転職エージェントを紹介するサービスやリクルート系転職サービス、ブラックな転職エージェントでの勤務経験もあり。既卒から一般転職・ハイキャリア・専門職の方までフォロー。
【注意】転職エージェントの裏事情
やめとけ!使わない方がいい転職エージェント7選!と使わない方がいい人の特徴をまとめています。