入社時の契約書や昇進時や何らかのタイミングで契約書を交わしていることもあると思います。
会社の社則で決まっているということもあるでしょう。
同業他社への転職はどこまで許容範囲なのか、解説します。
この記事を書いた人
安藤麗奈。1987年生まれ。転職エージェント計3社で11年勤務。z転職のような一人一人に合った転職エージェントを紹介するサービスやリクルート系転職サービス、ブラックな転職エージェントでの勤務経験もあり。既卒から一般転職・ハイキャリア・専門職の方までフォロー。
同業他社への転職はどこまでOK?
競業避止義務契約は、転職により同業他社に情報やノウハウが漏れることで元いた会社に不利益や損害が生じることを防止するための契約です。
しかし、日本には「憲法22条に規定する職業選択の自由」があるので、職業の選択はその人の意思で自由にすることができます。
なので、同業他社であろうと、職業選択の自由があるので基本的には問題がありません。
ただし、それでは「競業避止義務契約」の意味がなくなります。
債権者の利益、債務者の不利益及び社会的利害に立って、制限期間、場所的職種的範囲、代償の有無を検討し、合理的範囲において有効
少しかみ砕くと、一定期間の間に「場所」や「職種」を考慮して損害や不利益が生じたと合理的に確認できた場合に、有効となるということです。
さらにかみ砕くと、一定期間(現状では2年~3年と言われています)に損害や不利益が生じる地域や職種(同業のこと)で元いた会社に損害があれば、適応されるよ!ということです。
ただし、一社員が同業他社へ転職をし、損害賠償を請求されるということはごく稀です。
同業他者への転職はよくあること
むしろ異業種への転職する人の方が珍しいので、会社で役員をしていたり重要なポストにいない限りは、問題ないと考えていいでしょう。
注意しないといけない方
- 役職についている
- 社外秘を持っている
- ライバル会社への転職を考えている
- 会社から警戒されている
少し事例は異なりますが、「かっぱ寿司」の元社長が「はま寿司」の営業秘密を持ち出し「かっぱ寿司」に提供したことで有罪の判決が出た事案があります。
画像:asahi.com
この事例のように、通常は知ることができない社外秘を持っている役員レベルでないと問題はないと考えていいでしょう。
とはいえ、最近は訴訟社会になっているので、心配な方は「同業他社への転職を転職エージェントに相談」をして求人を探すことも検討しましょう。
同業他社への転職NGでバレると、どうなるのか?
同業他社への転職がNGの会社で転職して、バレてしまうとどうなるのか紹介していきます。
1.元居た会社から連絡や聞き取りが入る
即座に訴えられるということは少なく、まずは何らかの形で会社や弁護士から連絡が入るということがあります。
バレ方にも色々とあると思いますが、元居た会社の同僚などからばれた場合は直接の情緒から連絡が入ることもあるようです。
2.契約書や社則に基づいて法的処置
入社時にかましていた契約書や会社の車速で決まっている規約に基づき損害賠償の請求や法的処置がされることがあります。
3.転職先からの聞き取りが入る
転職した先の会社からの聞き取りが入ることがあります。
もちろん、前職の会社でバレた場合、転職後に働いている会社の方にも情報が入ることがあります。その場合、転職後の会社からの聞き取りが入ることがあります。
【注意!】同業他社への転職がバレるパターン5つ
どのようなパターンで同業他社への転職がばれてしまうのか5つのパターンを紹介していきます。
1.元居た会社の同僚や上司からバレる
元居た会社の同僚や上司と退職後も連絡を取っていたり退職時に転職先を行っていた場合はそこから上長へとバレていくことがあります。同僚の口が軽かったり、退職後も付き合いがある場合は注意しましょう。
2.同じ取引先からバレる
元居た会社と転職後の会社で取引先が同じ場合、取引先からばれるということがあります。取引先の人に覚えられていてばれる可能性がある場合は注意しましょう。
3.お客さん経由でバレる
業種にもよりますが、お客さんが同行他社でも購入やサービスを受けている場合はそこからばれるということも可能性としてはあります。お客さんが両方の会社を利用する可能性があったり、乗り換えをする可能性がある場合は注意しましょう。
4.SNSや公開情報でバレる
最近はSNSで何か発信をしている場合も多いでしょう。そこから人伝えにバレたり、会社のホームページにあなたが載っていてバレるということもあります。誰でも閲覧できるような場所に載る可能性がある場合は注意しましょう。
5.匿名のタレコミや通報でバレる
大きな会社の場合は、匿名での報告されるともあります。元居た会社に問い合わせフォームやクレームの連絡先があるという場合は注意しましょう。
【バレないために…】同業他社への転職がNGな場合の回避方法!
同業他社への転職が禁止されている場合に転職をする時の契約内容に引っかからないための対処方法を紹介していきます。
同業への転職はよくあることですし、転職をしている方は契約に引っかからないように回避して転職がうまくいっている人も多いです。
今後、何かトラブルが起きないためにも回避方法をしっかりと知って転職していくようにしましょう。
1.同業以外の会社に転職をする
同業以外の会社に転職をすれば競業避止義務契約に触れることは確実になくなります。
ただし同業で働きたいと思っている人ばかりだと思うのでこの項目は現実的ではありませんし、給与が少なくなったり今までの経験やスキルが台無しになるので、おすすめできません。
2.同業に当たらない会社に転職をする
同業のライバルに当たらない会社であれば問題がないことがほとんどです。
例えば、ITエンジニアとして働いていた場合に、前職はITの会社なった場合、食品会社のIT部門に転職をするという具合です。この形態であれば同業ではないので、契約には引っかからないといえます。
3.他の地域で同業他社に転職をする
競業避止義務契約では、今までの判決で地域的な要素も重要視されています。なので、大阪の会社で働いていた場合に、名古屋や東京など地域を変えて転職するというのも1つの手です。
ただし、今はネットでつながっているので、地域を変えても意味がないことも多いですし、ほかの地域への引っ越すことが現実的ではない方も多いでしょう。
よくあるのは、東京の大手企業で働いていて、地元の同業他社へ転職するという場合です。このパターンであれば、転職先でも重宝されるでしょうし、バレるリスクも限りなく少ないです。
4.三年たってから、同業他社へ転職をする
今までの判例や法的解釈では2,3年経過すれば競業避止義務契約は無効になるといわれています。なので、2,3年経過後に同業他社へ転職するということも選択肢の1つとしてあります。
1~4は現実的ではない方も多いと思います。
そして、今までのスキルが無駄になったり、年収が落ちることは避けられません。
なので、5を選ぶことが最も現実的です。
5.転職エージェントに同業他社への転職NGである旨を伝え求人を探す
転職エージェントでは日々たくさんに求人の紹介や転職のサポートをしています。
どの程度であれば、同業他社への転職NGの会社からの転職で契約に引っかかるのかということも熟知しています。
なので、心配な方は「転職エージェントにどのような契約や社則がある会社から転職をするのか」ということを伝え、求人を紹介してもらうのが一番です。
転職エージェントには、専門家も在籍しており、法律的なことは確認してくれます。
今まで同行他社へ転職している人も多いので実際の事例も交え教えしてくれます。
この時に重要なのが単なる転職サービスで相談するのではなく必ず「転職エージェント」のキャリアアドバイザーに相談することです。
この記事を書いた人
安藤麗奈。1987年生まれ。転職エージェント計3社で11年勤務。z転職のような一人一人に合った転職エージェントを紹介するサービスやリクルート系転職サービス、ブラックな転職エージェントでの勤務経験もあり。既卒から一般転職・ハイキャリア・専門職の方までフォロー。
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